全国災対連ニュース №63

 全国災対連ニュース 2010年9月3日 №63
                  (全国災対連ニュース№63.pdf)
 被災者生活再建支援法の適用要件を緩和
  全国災対連の要請 実現へ一歩近づく


 政府は8月31日、6・7月に発生した梅雨前線による猛烈な豪雨で、局所的な被害が全国各地で起きたことを受け、甚大な住宅被害が広域的に散在している場合にも対応できるよう、被災者生活再建支援法施行令の一部を改正し、適用要件を緩和しました。
 従来の政令では、全壊世帯が同一地域に10戸以上あることを適用要件としていました。そのため甚大な被害を受けながら支援の対象(最高で300万円の支援金を支給)にならない地域や世帯が出るという欠陥がありました。
 全国災対連は、現在取り組んでいる「被災者生活再建支援法の抜本改正を求める請願署名」で、“住めない・くらせない・住み続けられない”被災者すべてを救済できる制度への改善を求め、要請項目の一つとして、「被災戸数」の適用要件の大幅緩和をあげています。今回の政令改正は、被災者や全国災対連の要請に沿った制度改善への一歩前進といえます。
 この政令改正は9月3日に施行され、今年6月22日以後発生した災害にさかのぼって適用されます。
◆政令改正の概要<内閣府(防災担当)の文書から>
 全壊10世帯以上などの市町村を含む都道府県が2以上ある場合には、以下の要件に該当する全国の市町村に被災者生活再建支援法を適用。
・「5世帯以上」の住宅全壊被害が発生した市町村(人口10万未満に限る)。ただし、人口5万未満の場合には「2世帯以上」の住宅全壊被害で適用。
・合併市町村については、合併により不利になることがないよう、市町村の合併の特例に関する法律と同様の措置(合併の年以降5年間は合併前の区域・人口で判断)をとる等の特例措置あり。
 中越大震災から5年 ふるさとを再生した山古志を訪ねる
  10月30日・31日 新潟県長岡市山古志地区で開催
   2010年被災地復興推進交流集会
 ビラ・参加要綱 全国災対連ホームページからダウンロードできます
 集中豪雨被害の山口県山陽小野田市
   市議会特別委が被災者アンケート
 山口県山陽小野田市は、7月15日の猛烈な豪雨で3,317世帯8,068人に避難指示が出される未曾有の災害に遭遇しました。地元の宇部日報8月10日付(ホームページ)が、その後の同市の取り組みについて報じていますので紹介します。
 山陽小野田市議会では、8月9日に豪雨対策調査特別委員会を開き、復興に向けて被災者のニーズを聞くためのアンケート調査や懇談会を8月中に実施することを決めました。同特別委員会は、災害の原因の究明と対策、被災者の支援を目的に、8月4日の臨時市議会で設置されました。
 アンケートは、避難指示が出された世帯・人を対象に被害状況、避難状況、どんな支援を受けたいかなど自由に書いてもらい、8月末までに自治会長や市議などを通じて集めます。アンケートとは別に、被災地区を中心に数か所で懇談会を開催し、直接、被災者の生の声を聞きます。
 これらの意見は、11月中に中間報告としてまとめ、来年度予算に反映できるようにするといいます。
 特別委員会の意見交換の中では、「被災をきっかけに営業をあきらめる商店主や経営者もおり、住宅や事業資金の手厚い支援が必要」「埴生地区は当初、断水による給水車は埴生中の一か所だけで、不便を強いられた。これまでの災害の教訓が生かされていない」「JR美祢線の復旧が一年以上かかる見通しというが、市としても早期復旧に向け、サポートしていく必要があるのでは」といった声が出た、と報じています。