全国災対連ニュース №62

 全国災対連ニュース 2010年1月28日 №62
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 「支援法」第3次改正へ運動開始
 全国災対連第11回総会で運動方針を確認


 全国災対連は第11回総会を阪神淡路大震災15周
年の前日に当たる1月16日午後6時から、神戸市元
町の兵庫県私学会館で開きました。上山興士世話
人が議長に選出され、1月12日(日本時間13日)
に起きたハイチ大地震にふれ「国際的な連帯で救
援しよう」とあいさつで訴えました。
 住江憲勇代表世話人が開会あいさつをおこない
「全国災対連は、2007年の被災者生活再建支援法
第2次改定で住宅本体への公的支援を実現し、被
災者に寄りそった運動で貢献することができた。
国民諸階層と合流した運動で、さらなる支援法の
改正を実現させたい」と述べました。  
 長年の懸案だった『防災対策マニュアル』を
 発刊
 中山益則事務局長が2009年度の取り組みと、
2010年度の運動方針を提案しました。
 2009年度の取り組みでは、内閣府が「災害に係
る住宅等の被害認定」の見直しをおこないました。
全国災対連は、内閣府から説明を受け、被害実態
に沿う内容や、風水害を加えるなどの積極面を促
進する立場でパブリックコメントに応募しました。
内閣府は、新たな被害認定のガイドラインを作り
ました。さらに、「浸水等による住宅被害の認定
について」との通達を出し、水害被害者に積極的
活用を促しました。
 2009年9月には、長年の懸案だった『災害対策
マニュアル』を発刊することができました。
 被災者に寄り添い、被災者を中心にした運動を
 2010年度の基本方向として、次の6点(要旨)
を提案しました。
①災害被災者の生活再建と復興を目指した支援
 被災地での激励行動に積極的に参加します。生
活再建途上にある岩手宮城内陸地震や兵庫の豪雨
災害支援に取り組みます。
②被災者生活再建支援法の第3次改善運動の開始
 「改善要求署名」を2010年1月からスタートし、
当面10万筆を目標に進め、秋の臨時国会で提出行
動を具体化します。2010年通常国会で政党・議員
に対する要請をします。各地方で上乗せ制度の確
立を目指します。
③被災地相互の交流を強めます
 第3次改正を目指す全国交流集会と中山間地復
興の教訓を交流する集会の開催を検討します。
④各地方自治体に向けた共同の運動を強めます
 「平成の大合併」によって後退した地域の防災
力を整備するように、自治労連と協力しながら自
治体に要請します。災害時の避難所になる公私立
学校などの耐震診断と耐震化や生活道路、橋梁の
補修促進を要請する行動に取り組みます。    
⑤防災学習活動を重視します
 『防災対策マニュアル』の普及と同パンフを活
用した学習運動に取り組みます。
⑥組織の強化・拡大
 災害被災者を支援してきた団体の中には、事実
上休眠状態のところもあります。参加団体の活動
状態などを調査し、実態把握に努めます。
 最後に中山事務局長は、「全国災対連は1999年
11月に結成され満10年になりました。新年度には
、被災者生活再建支援法の改正運動に取り組みま
す。被災者に寄り添い、被災者を先頭にした運動
で、これらの課題に挑戦します」と、報告を結び
ました。
 高橋千鶴子衆院議員が来賓あいさつ
 来賓として会場に駆けつけた日本共産党の高橋
千鶴子衆議院議員があいさつ。「今年は重要な年
になります。被災者生活再建支援法の残された課
題である、▽被災住宅の被害認定の改善、▽支給
金額の引き上げ、▽『10戸条項』の問題、▽商店・
生業を維持するための復興策を盛り込む、などの
改正に向けて取り組んでいただきたい」と激励し
ました。
 運動の前進めざし積極的な討論
○宍戸末雄さん(新潟県災対連事務局長) 被災
した中山間地の復興について交流集会を開くとの
提案がありましたが、中越大震災で被災した山古
志でぜひやってほしい。復興を進めている現地の
人を大いに励ますことになります。
○奥西一夫さん(国土問題研究会) 国土研は50
年の歴史を持っていますが、最近は調査活動も弱
まっています。他団体との連携を強めていきたい
と思います。
○坂巻幸雄さん(日本科学者会議) 『災害対策
マニュアル』を普及していますが、評判がいい。
これをテキストに学習会をしてほしいという声も
出ています。各地で気象災害が起きています。測
候所が廃止され有人観測がなくなっています。予
報、記録の仕事をしている、防災の前線基地の役
割についても目配りしてほしい。
○五位野和夫さん(柏崎刈羽災対連事務局長) 
柏崎には多くの原発があります。原発設置を国が
許可したのですから、災害に対しても国が責任を
果たしていただきたい。原発を抱えている地域と
してこのことを訴えたいと思います。
○千代崎一夫さん(新建築家技術者集団) 千葉
市と千葉土建組合が防災協定を結びました。地域
に住んでいて住宅を修理する技術と知識と修理す
る道具を持っているのですから、よそでも広げて
ほしいと思います。
 討論のまとめを、中山事務局長がおこない、総
会には9中央団体・5地方組織の43人が参加した
と報告。気象観測についての提案は、全気象労組
とも協力して取り組みたいと述べました。
 この後、運動方針案、会計報告と予算案(提案
者は伴香葉事務局次長)を全会一致で承認しまし
た。総会は新年度の役員として17人の世話人と代
表世話人3人を選任しました。新年度の代表世話人
は次とおり(敬称略)。
 大黒 作治 全国労働組合総連合議長 再任
 住江 憲勇 全国保険医団体連合会会長 再任
 合志 至誠 阪神・淡路大震災救援・復興兵庫
 県民会議代表委員 再任
 閉会あいさつを住江代表世話人がおこない、総
会は終了しました。
 総会閉会後、第1回世話人会を開き、中山益則事
務局長、伴香葉事務局次長、谷川正嘉事務局次長、
中山真監事(いずれも再任)を選出しました。
<情報  神戸新聞 2010年1月22日付>
 全国知事会が被災者支援法見直しで
 7月に基本方針発表
 2010年1月22日付神戸新聞は、全国知事会災害
対策特別委員会が被災者生活再建支援法の見直し
について今年7月をめどに改善点などをまとめ、
基本方針として発表すると報じました。
 神戸新聞の記事は、「全国知事会は現行制度の
見直しを災害対策特別委員会で一昨年から議論。
1月21日東京都内で開かれた全国知事会で、同委
員長の泉田裕彦・新潟県知事が中間報告を発表し
た。/それによると、基金での支払い能力を超え
る『超大規模災害』が発生した場合、国が特別立
法で対応するよう求める方針。ほかに現行制度が
適用される『住宅の全壊が10世帯以上の市町村』
などの条件を緩和することや、支給対象の『長期
避難世帯』の認定基準なども検討する。/同委は
今年6月には報告書をまとめる予定という」と書
いています。
 全国知事会は、7月発表の基本方針をもとに
「来年1月召集の通常国会での法改正を目指す」
といいます。
<全国災対連世話人各位へ事務局からの連絡>
 内閣府が三宅噴火被害対策で
 パブリックコメントを募集
 内閣府は下記のパブリックコメントを募集して
います。
 締め切りは2月20日までとなっていますので、
内閣府ホームページをご参照のうえ、広く周知い
ただき、ご意見をお送りください。三宅のほうで
はすでに賛成の立場で提出を準備しています。
 なお、内閣府に提出した意見文書は、中山事務
局長(nakayama@zenroren.gr.jp)にもメールし
ていただくようお願いします。
【意見募集中案件名】
「平成十二年から平成二十年までの間の火山現象
による東京都三宅村の区域に係る災害についての
激甚災害の指定及びこれに対し適用すべき措置の
指定に関する政令の一部を改正する政令案」に対
する意見公募
<政令案の概要>今回の政令案は、平成21年に
おいても、多量の火山ガスの放出が継続し、災害
が継続中であることから、災害期間をさらに1年
間延長して「平成21年まで」とし、事業費等が
局地激甚災害指定基準を超えた場合の措置を引き
続き行うものである。
意見提出先・提出方法
<電子メール>  https://form.cao.go.jp/bousai/
opinion-0007.html
<郵送> 別紙意見提出用紙に氏名、連絡先、意
見を日本語でご記入の上、下記住所にお送り下さ
い。
〒100-8969 東京都千代田区霞が関1-
2-2 中央合同庁舎5号館
内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(総括担
当)付調査担当 あて
<FAX>  03-3503-5690